前回のコラムでは、住宅ローン金利が上昇局面に入りつつある今、
「金利が変わると、家の総支払額はどう変わるのか」という視点についてお話ししました。
金利は、毎月の返済額にじわじわと影響します。
そしてその影響は、気づいたときには
“家計の余白を少しずつ削っていく”ものでもあります。
とはいえ、
「金利が上がっているから家を買わない」
という話では、決してありません。
問題は、
これまでと同じ感覚で家を選んでいいのかどうか。
そこに、今あらためて立ち止まる必要があるということです。
住宅価格は上がり、金利も上がる。
その結果、月々の支払いを抑えるために
返済期間を40年、場合によっては50年まで延ばすケースも珍しくなくなりました。
ここまでして“買える”家と、
無理なく“住み続けられる”家は、必ずしも同じではありません。
では、これからの時代、
どんな考え方で住まいを選ぶのが現実的なのか。

目次
新築住宅は“高くなりすぎた”?
近年の新築住宅価格は、資材高騰・人件費上昇・土地価格の影響を受け、
数年前と比べても明らかに高くなっています。
さらに、
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借入額が大きくなる
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金利上昇の影響をダイレクトに受ける
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月々の返済額が家計を圧迫する
という構造になりがちです。
「新築じゃないとダメ」という価値観は、
今の時代、本当に最適解でしょうか。
返済期間を延ばさないと、月々が成り立たない現実
住宅価格の上昇と金利上昇が重なる中で、
最近よく聞くようになったのが40年、場合によっては50年という返済期間です。
月々の支払額を抑えるため、
35年ではなく40年、さらに50年という長期ローンを選ばざるを得ない。
確かに数字上は、毎月の返済額は一時的に軽く見えます。
しかしその裏側では、
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返済期間が延びる分、支払う利息は確実に増える
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定年後も住宅ローンが残る可能性が高い
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教育費や老後資金と重なり、将来の選択肢が狭まる
といった現実が静かに積み重なっていきます。
「買えるかどうか」ではなく、
「この先も払い続けられるかどうか」。
返済期間を延ばすこと自体が問題なのではなく、
そこまでしないと成り立たない価格設定になっていることが、本質的な課題です。
中古住宅+リフォーム・リノベーションという選択
そこで注目したいのが、
中古住宅を購入し、自分たちに合う形に整えるという選択肢です。
中古住宅は、新築に比べて
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物件価格を抑えやすい
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立地の選択肢が広い
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固定資産税も比較的低い
といったメリットがあります。
そこにリフォームやリノベーションを組み合わせることで、
「価格」と「住み心地」のバランスを取ることができます。

金利が上がるほど、差は広がる
ここで重要なのが金利です。
借入額が小さければ小さいほど、
金利上昇の影響は限定的になります。
同じ金利、同じ返済期間でも、
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新築で3,800万円借りる場合
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中古+リノベで2,800万円借りる場合
では、総支払額に数百万円単位の差が生まれることも珍しくありません。
これは、将来の教育費や老後資金に直結する話です。
「新しい」より「自分たちらしい」家へ
リノベーションの魅力は、
単に家をきれいにすることではありません。
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間取りを暮らしに合わせて変える
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収納や動線を最適化する
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キッチンや水回りに予算を集中させる
“新築よりも、満足度が高い”
そんな住まいが完成することも多くあります。
家は「新品」であることより、
暮らしに合っているかどうかが重要です。
これからの住まい選びは「考え方」で差がつく
金利が低かった時代は、
多少無理をしても何とかなりました。
しかしこれからは、
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借りすぎない
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買い方を工夫する
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長期的な視点で考える
この3つが、住まい選びの軸になります。
新築か、中古か。
その前に、「自分たちに合う選択は何か」を考える。
今は、そんな時代に入っています。
家は「買うこと」より「住み続けること」
家を買うことがゴールではありません。
そこで、どんな暮らしを、どれだけ長く続けられるか。
それが、住まい選びの本質です。
新築か、中古か。
その前に、
自分たちの暮らしと、将来の家計に合っているか。
金利が上がる今だからこそ、
中古住宅+リフォーム・リノベーションという選択を、
一度、冷静に考えてみてもいいのではないでしょうか。
